「安倍内閣の支持率が大きく下がったのは安保法案強行採決直後の調査(2015年10月)以来です。あの時は政策が原因だったから、国民の関心が別の政策に移ると怒りが薄れて支持率が戻りやすかった。
しかし、今回は明らかに加計学園問題での政権不信から支持率が下がった。ひとたび国民に不信感を持たれると民進党のように支持の回復は難しい。だからこそ、今回の支持率低下は安倍政権にとってダメージが大きい。読売と産経がテロ準備罪を持ち上げる見出しをつけたのは、おそらく安倍政権の意思を忖度したのでしょう。つまり、世論調査が政権にNOを突きつけたことを読者に隠そうとしたわけです」
だが、どんなに見出しで印象操作をしても、安倍政権が危機的状況にあることはその読売の世論調査データを読み解くとわかる。
読売は年代別の内閣支持率を報じ、60代が54%から36%へ急落したのに対して、20代は支持率60%以上と高かったことを報じている。政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、この数字から選挙への影響の深刻さがわかると指摘する。
「60歳代は各世代で人口が一番多く、投票率が非常に高い世代です。この世代の支持率が急落しているのは、次の選挙で安倍政権は従来の支持票をごっそり減らす可能性が高いことを示している」
野上氏の協力で投票に結びつく〈投票者支持率〉を世代間で比較してみた。20歳代の人口(有権者)は約1250万人で、前回総選挙の投票率は33%だった。投票に行ったのはざっと412万人。この世代の内閣支持率が65%と高くても安倍政権の支持者は268万人だ。