まき網漁船側の主張は「自主規制はしている」「公的機関から言われれば従う」という姿勢だが、今年は大型まき網漁船での漁獲にも過少報告が発覚。小型クロマグロの重量を最小サイズである2kgで報告するなど、ずさんな報告が相次いだ。結果、水産庁がようやく重い腰を上げて立入検査をし、報告の修正指導を行ったというが、体質改善などにどこまで踏み込むことができたのかは未知数だ。

 しかも各地で実績が改ざんされていたといなれば、日本全体に割り当てられた漁獲実績についての修正も必要になる。6月末までの年間漁獲枠はすでに4月で使い切った。超過分は来季の漁獲枠から差し引かれる。国際社会からも日本のずさんな資源管理に批判が高まっているのは当然としても、ここまで自浄作用が機能しないのはなぜだろうか。

 6月中旬の朝日新聞の鳥取版や島根版では「生クロマグロ、豊漁期待 初水揚げ」などとお祝いムードで境港の今年初の水揚げを報じていたが、6月はクロマグロが産卵に入る季節。クロマグロの旬は12~2月である。さらに今年6月27日付の日本経済新聞の記事にも「水産庁は資源の減少が懸念される太平洋クロマグロの漁獲量の抑制に乗り出す」というフレーズがあった。5年前ならともかく2017年のいま「乗り出す」とは……。

 ツッコミどころ満載すぎて、何をどこからツッコんだらいいのかわからない。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン