ライフ

酒は適量でも脳機能が低下する!? 英研究報告がもたらす波紋

やっぱりお酒は楽しい(写真:アフロ)

 イギリスでアルコール摂取と脳の認知機能についての研究結果が報告された。「酒は百薬の長」はもう昔話になってしまうのか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 国内における禁煙志向や「たばこ=悪」というイメージが定着した近年、「たばこの次(にやり玉に挙げられるの)は酒ではないか」という声が聞かれるようになった。そうした環境下では嗜好品に対するネガティブなニュースは大きく取り上げられやすくなる。

 先日、イギリスで「アルコール摂取が多いほど脳の認知機能が下がる。”適量”だとしても脳機能は低下する」という研究結果が報告された。「週に30杯以上、飲酒する人は飲まない人に比べて5.8倍も海馬が萎縮しやすい」という調査結果に左党(という言葉も、死語になるのだろうか)が衝撃を受けたのはつい最近のことだ。

 もともと飲酒習慣と脳の萎縮や認知機能の低下に因果関係があるとい説自体は知られていたが、近年までは「適量であれば(さほど)問題ない」という説が一般的だった。

 僕自身も去年脳ドックを受診で酒量の問診を受けたとき、医師から「飲みすぎると脳が萎縮するよ」と脅されたが、「肝臓の値は大丈夫だから、適量なら毎日飲んでいい」とも言われた。少なくとも昨年末までは国内にそうした意見の専門医も存在したのだ。

 ところが、今回の論文で発表されたように「適量でも脳機能は低下する」「よくアルコールを摂取する人ほど、長期的には認知機能が低下しやすくなる」となると、どこで線を引くかは非常に難しくなる。結論としては「飲まないに越したことはない」が圧倒的に正しくなってしまうからだ。

 もっともそれは「脳の萎縮」という機能面だけを切り取った話で、「脳萎縮=認知症」と単純にとらえられるものでもない。大量に飲酒する習慣のある人に脳萎縮が高い割合でみられるのはほぼ間違いのない事実として捉えられているが、飲酒量と認知症のリスクの関係については違う研究結果も存在する。その研究では、認知症のリスクがもっとも少ないのは350mlの缶ビール1本相当のアルコールを週に1~6本程度摂取した層だというのだ。

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン