ライフ

巌流島の決闘 佐々木小次郎は武蔵一派に集団で殺された説も

小次郎は寄ってたかってボコボコにされた?

 歴史小説などの舞台として扱われることの多い江戸時代。「事実は小説より奇なり」とは言うが、実際には虚実がないまぜになっている例も少なくないようだ。

 江戸時代の剣豪・宮本武蔵。その物語のクライマックスとして描かれる、佐々木小次郎との巌流島の決闘。あえて遅刻して現われ、心理戦で勝利したことになっているが、全く違ったかたちだったとする史料がある。

「『沼田家記(※小次郎が剣術師範を務めていた小倉藩・細川家家臣の沼田家に残された記録)』によれば、武蔵の一撃で気を失った小次郎は、その後いったん目を覚ましたものの、巌流島に来ていた武蔵の弟子たちに寄ってたかって殺されたと記されている。

 巌流島は当時舟島という呼称で、小次郎は集まっていた野次馬たちから『気をつけたほうがいいよ、さっき武蔵の弟子たちが複数舟島に渡ったから』と伝えられていたとも書かれています。それでも小次郎は武士らしくひとりで島に渡り、堂々と勝負したのです」(歴史研究家・井手窪剛氏)

 一方、江戸の南町奉行・大岡越前守が行なった人情あふれる「大岡裁き」の実態も定かではない。

「史料として確かなのは自筆で仕事の内容を記録した『大岡日記』くらい。有名な“三方一両損”裁きの話は井原西鶴の小説を元にした作り話。『大岡日記』の記述を見ていくと、大岡越前守は将軍の意向に真っ先に従う人。大岡裁きのイメージとはかなり違います」(井手窪氏)

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン