「当院で臨床研究として行なっている静脈奇形に対する硬化療法は、超音波で見ながら静脈奇形の血管に細い針を直接刺入し、造影剤を注入して病変を確認した上で、そこからポリドカノールという硬化剤を注入します。これにより、異常な血管の内皮細胞が障害され、縮小することを目指しています」(荒牧医師)
治療の多くは日帰りの局所麻酔下で行ない、部位や年齢によっては入院して全身麻酔で行なうこともある。複数回の治療が必要になる場合が多く、効果は1~3か月程度で現われる。ただし、四肢全体など、病変の範囲があまりに広い場合は、治療が難しい場合もある。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年7月21・28日号