色素レーザーは特定の色素だけに反応するもので、毛細血管奇形には赤い色素の標的となるヘモグロビンだけに吸収されるレーザー光線を用いる。事前に表面麻酔(シールや軟膏)を照射する場所に1時間程度行ない、麻酔が効いたところで、ごく短時間(小さければ約5分程度)照射する。これにより、標的のある血管の壁だけを選択的に焼いて破壊できる。
乳幼児から照射を行なうことが可能で、治療効果を見ながら保険治療では3か月に1度、実施する。毛細血管奇形に対するレーザー治療は、成人になってからでも治療効果が認められている。
頻度は少ないが顔面や頭頸部、口腔や四肢など、全身どこにでも発生し得る静脈奇形は、疼痛をともなうこともある。病変範囲が狭い場合は、異常な血管を切除し、皮膚を縫合する手術を行なうこともある。また、新しい治療法として、この施設では異常な血管に硬化剤を注入する硬化療法の臨床研究が始まっている。
硬化療法は、消化器分野での食道静脈瘤や下肢の静脈瘤の治療としても一般的に実施されているものだ。