ライフ

板垣退助の「板垣死すとも自由は死せず」発言 創作が濃厚

板垣退助の名セリフは創作が濃厚か

 偉人伝などで伝えられる偉人たちのエピソードは、常に感動的だ。しかし実際には、脚色されたものが少なからず含まれている。

 江戸末期、幕府側で活躍した新選組。苦楽を共にしてきた同志でも、〈士道に背くべからず〉といった禁を犯せば容赦なく斬り捨てるという、「局中法度」が広く知られている。だが、実際には新選組の隊則に局中法度なるものは存在しない。

 局中法度については、歴史小説家の子母澤寛の『新選組三部作』以前には登場する史料が確認できないことから創作とする説が有力となっている。

 一方、自由民権運動の象徴・板垣退助が遊説中に暴漢に襲われ、「板垣死すとも自由は死せず」と発したというエピソードも脚色があると考えられている。後に当時を振り返って板垣自身が「声も出なかった」と回顧録に書き残していることから、随行していた自由民権家の叫んだ台詞であるとする説が有力視されている。

 また、脚色とは異なるが、西郷隆盛はといえば上野にある犬を連れた銅像が有名。だが、西郷は写真を残していない。銅像の顔は弟の西郷従道などをモデルにイタリアの版画家・キヨッソーネが残した肖像を元に作られたのだ。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン