しかも都議選で大惨敗したのに総括も反省もせず、出てくるのは内閣改造だ。上ばかり見ている国会議員をポストで党執行部に従わせ、自由闊達な議論が行われなければ自民党は信用を失うだけだ。自民党はできるだけ早く体制を整えて国民と向き合う必要がある。
私は1986年の初当選以来、10回連続で当選して一回も自民党を出たことはない。僭越ながら「ミスター自民党」だと自負している。正直なところ、そろそろバットを置きたいと思うけれども、本会議場を見渡して国会の現状を見ていると最後のご奉公をしなければならないという思いである。
政治は国民に対し最高の道徳が求められるのである。政治や行政が歪められていると国民に真の政治不信が起こるかもしれない。だから最後まで正論を言い続け、自らの信じる政策・政治理念を訴え続ける所存だ。
●むらかみ・せいいちろう/1952年愛媛県生まれ。東京大学法学部卒業。1986年衆議院議員選挙初当選後、10回連続当選。大蔵政務次官、衆議院大蔵常任委員長、初代財務副大臣、行政・規制改革、地域再生、特区、産業再生機構担当大臣、衆議院政治倫理審査会会長など数々の要職を歴任。
■取材・構成/池田道大(ジャーナリスト)
※SAPIO2017年9月号