ライフ

認知症患者の徘徊、姿が消えてから「1時間以内」に対応を

認知症患者の行方不明者が激増している

 超高齢社会が迫るなか、医療・介護現場の人手不足は深刻で、あぶれだした高齢者が施設ではなく在宅での「老老介護」を選ぶしかなくなる。そうしたなかで、認知症の行方不明者は年間1万5000人を超え、かつてないペースで激増しているのだ。

「行方が分からなくなるのには“本人なりの理由がある”ことが多い」と指摘するのは日本地域ケア協会・梅澤宗一郎代表だ。

「たとえば女性の場合、雨の日にいなくなることが多い。それは認知症を発症する前、健康だった時の習慣的な記憶と関係があるのではないかと考えられています。雨が降ったら『洗濯物を取り込むために急いで帰る』あるいは『小学校まで傘を持って子供を迎えに行かなければいけない』といった不安に駆られていた。それを“思い出している”のではないかということです。

 他にも、寒くて閉じこもりがちな冬から春になると体が外出を求める。また年中行事としてお墓参りをしていた人はそうした記憶に突き動かされるのか、お彼岸、お盆に先祖の墓を探しては、とんでもない場所まで行ってから自分がどこにいるのかわからなくなる、ということもあります」

 だからこそ、認知症患者の徘徊行動に対して、「頭ごなしに否定するのは逆効果」と梅澤氏は続ける。

「日の出前から出勤するモーレツサラリーマンだった方に多いのですが、真夜中に“会社に行く”と言い出す。そういう時は、ただ止めるのではなく、“行ってらっしゃい。でも、その前にご飯食べないと”といったふうに一旦は受け止め、それから家の中に止める理由を言うほうが効果的です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
米国の大手法律事務所に勤務する小室圭氏
【突然の変節】小室圭さん、これまで拒んでいた記念撮影を「OKだよ」 日本人コミュニティーと距離を縮め始めた理由
女性セブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
中森明菜復活までの軌跡を辿る
【復活までの2392日】中森明菜の初代音楽ディレクターが語る『少女A』誕生秘話「彼女の歌で背筋に電流が走るのを感じた」
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン