◆自動畳み機能付き全自動洗濯機
洗濯機が普及したことによって家事労働は劇的に軽減された。さらに、全自動洗濯・乾燥機は洗濯という作業を「お洗濯物の中に入れてスイッチポン」というところまで簡単にした。しかし、ほとんど軽減されていない作業もある。それは、乾いたお洗濯物を畳んでタンスにしまうということ。
ところが、世の中には乾燥から畳むところまでも自動でやってくれる機械があるらしい。ただし、非常に高価だという。一般家庭ではとても買えないレベル。何も人間がやるようにきれいに畳む必要はない。ある程度粗くても、タンスにしまえるレベルであればいいだろう。くるくると巻いた状態でもいいと思う。
そういう機械が20万円から30万円で買えるのなら、それなりに浸透すると思う。これはマンションに限らず、すべての住宅で使えるはずだからメーカーも大量生産で臨める。
ただ、難易度は高そうだ。技術面ではなく、コスト面で。しかし、これが普及すれば一般家庭で毎日20分から30分の家事労働が軽減されるはずだ。
◆自動清掃装置付きフローリング床
そして、私が考えるマンション内設備における究極の未来装置が、この「自動清掃装置付きフローリング床」だ。カンタンに言うと、掃除機をかけなくてもよくなる仕組みだ。
現在でも住戸内の床を這い回るように動いて掃除をしてくれる機械はある。使っている人も多いだろう。しかし、部屋の隅々や家具の隙間まではカヴァーしてくれない。私が夢想する自動洗浄装置は、部屋の隅だろうが家具の隙間だろうが、あるいは家具の下でもきれいに掃除できる。しかもスイッチひとつだ。
まず、床面は一辺が3センチほどの正方形で区切られている。ボタンを押すと市松模様的に分けられた黒い部分、つまり全体の半分が床下数センチのところに沈んで、そこで自動的に埃を取り、汚れを洗浄する。
処理を終われば黒い部分は床面に戻り、今度は残り半分の白い部分が床下に沈み、同じような処理が施される。そして白の部分も床面に戻れば掃除は終了。便宜的に市松模様の黒と白で説明したが、フローリングの木目模様がつながっていても何ら支障はない。
吸い取られた埃や汚れはディスポーザーの生ごみのように一括処理される。これが実現すれば、掃除機をかける必要がなくなる。掃除機から吸い取った埃のかたまりを取り出す必要もない。床掃除はスイッチを押すだけ。
この場合、床下の装置はかなり大掛かりになるし、スペースも必要だ。まずは富裕層の邸宅向けなどに開発してもらって、うまくいけば量産してマンションでも普及を図るような展開になるのだろうか。
これら私が考えた「夢の装置」の半分でも実現すると、マンションでの暮らしの中身は劇的に変わるはずだ。それは一見今と同じように見えるが、管理人の作業や住戸内の家事負担が今の数分の一以下になる。そういう夢のような未来の情景を、いつの日か見てみたいものだ。