◆多品種対応型マンション専用自動販売機
これは、最も実現しやすい装置だ。多くのマンションでは各住戸共通のダウンライトの電球や切手、電池などを管理用のフロントで販売している。これは管理組合が収益を得るためではなく、単純に住人の生活利便性を図るのが目的。もちろん、実際に販売を行うのは管理人だ。徒歩5分以内にコンビニがないようなマンションだと、けっこう重宝がられている。
こういった物品の販売はすべて自動販売機に任せてしまう。すると、管理人がいない時間でも必要なモノが買える。扱い商品は他にハガキ、石けん、シャンプー、カロリーメイト、カップ麺などが考えられる。シャトルバスを出しているマンションなら回数券を販売しても便利だ。
扱い商品についてはそのマンションのニーズに合ったように、商品の大きさなどに可変性のある機械が理想的。さして場所は取らないはずだ。また、今ある技術で十分に対応が可能。そして、管理人の作業負担を軽減できる。
◆完全自動洗浄機付きトイレ
住戸内に目を移そう。家事労働は随分軽減されたが、まだまだ人が手を使って行う作業は残っている。例えばトイレはメーカーが素材や形状に改良を加え、また化学メーカーが洗剤を進化させてきた。しかし、まだ人間が手にブラシを持ってゴシゴシ擦らなくても完全に良好な状態に保てるところまでは来ていない。
私の考える理想的なトイレは、ふたを閉めると水密状態になる。そして、その内側ではまるで食洗器のように四方八方からノズルが出てきて強力な水流が噴出して、隅々まできれいに洗浄してしまう、というもの。
食洗器の機能をトイレの内側に備えさせるワケだ。「やってできないことはないだろう」と思うのは素人考えだろうか?
◆自動洗浄機能付きユニットバス
同様に、ユニットバスも何とかならないだろうか。「汚れが付きにくい」とか「お手入れがしやすい」という素材の開発には限界が来ている。人間が身体を洗う場所なのだから、ある程度は汚れて当然である。しかし、ユニットバスの清掃には少々骨が折れる。ブラシで擦るところが多いからだ。
これもトイレと同じで、ドアを閉めると水密状態になって天井からスプリンクラーのようなものが出てきて強力な水流を噴きかけ、三次元で動く洗車用のたわしのようなものがユニットバスの内部をきれいに清掃してくれる装置が開発されないものか。
これは難易度が高そうだが、私は不可能ではないと思っている。
◆生ゴミ分別処理機能付食洗器
日本にも随分と食洗器が浸透してきた。しかし、掃除機や洗濯機のようにほとんどすべての家庭に備わっているほどではない。なぜだろうか?
私は、それがまだまだ掃除機や洗濯機ほど使い勝手がよろしくないのだと考える。早い話が「うまく洗えていない」うえに「ランニングコストが高い」ということだ。あるいは、うまく洗えるようにするのはもの凄く時間がかかったりする。その分、電気代や水道代がかかる。
人が手で洗って20分のところを100分もかかるようでは文明の利器とは言いがたい。おまけに、人が最初に10分ほどかけて食器をさらっと流してやらなければならない場合もある。そうなると、人が節約できるのはたったの10分ということになる。
私が考える理想の食洗器は以下のようなものだ。
まず、容積にして今のシンクの2倍くらい大きい。そこへ、さらっと流すどころか食事が終わったすべての食器と共に、食べ残しや魚や鶏の骨もすべて一緒に入れてしまう。あとは上から蓋をする。中は水密状態。ボタンを押せば中で作業が始まり1時間ほどで終了。蓋を開ければ食器はすべて洗浄され、生ごみは自動的にディスポーザーで処理されている。そういう機械が理想的だ。
多分、今の陶器の食器では無理だろう。専用の硬質プラスチックの食器しか使えない、というのならそれでもかまわない。食事のあと、放り込むだけという利便性が享受できるのなら、多くの人はそその程度のことなら妥協するだろう。