国内

年金 支給停止は驚くほど簡単、受給再開は驚くほど煩雑

返上手続きは紙ペラ1枚でOKなのに…

〈年金を必要としていない富裕層に年金返上を求めて子育て財源に充てる制度を考えている〉──8月25日付の朝日新聞の対談記事で、自民党・小泉進次郎氏はそうブチ上げた。返上者に叙勲するプランも披露し、“年金返上は美徳”とアピールを始めたのだ。

 しかし、そもそも年金を自主的に返上する仕組みなど聞いたことがない。そこで調べてみると、“それらしきもの”があった。日本年金機構のHPから、〈老齢・障害・遺族給付支給停止申出書〉という書類がダウンロードできる。これが“年金返上届”だ。

 厚生労働省に訊ねると、年金返上の件数は「今年7月時点で940件」(年金局事業管理課)だという。公的年金の受給権者が約4000万人いることを考えれば、自主返上者は“ほぼゼロ”である。進次郎氏は、それを増やそうと呼びかけているのだ。

 支給停止の手続きは、驚くほど簡単である。

〈老齢・障害・遺族給付支給停止申出書〉に基礎年金番号や生年月日、住所・氏名などを記入して、停止したい年金の種類を丸で囲むだけ。年金事務所に提出すればいい。

 進次郎氏は、〈あとで苦しくなったら返上分を戻すようにする〉(前述の朝日対談記事)とも発言したが、実はすでに「返上は簡単だが、“やっぱり受給したい”と思った時の手続きは驚くほど煩雑」という仕組みが出来上がっている。支給再開には「(返上の)撤回申出書」を提出した上で、本人の戸籍抄本や、場合によっては配偶者や子供の戸籍抄本、住民票などの添付書類の提出が求められるのだ。

 調べるほどに、国にとっては“よくできた制度”だ。何より、仮に返上しても、一定額以上の収入があれば、年金保険料を払い続けなければならないのである。厚労省はこう説明する。

関連記事

トピックス

大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン