一方、企業の工場見学が注目されたきっかけは、焼き肉のたれでおなじみの食品メーカー『日本食研』(愛媛県今治市)だ。
ウィーンのベルベデーレ宮殿を模して造られた日本食研KO宮殿工場がテレビCMに登場し、そのインパクトの強さから全国的に認知された。現在、同社の工場や本社内に設置された博物館を見る見学ツアーには、年間2万人以上の人が訪れ、今治市の観光名所となっている。
愛媛本社の総敷地面積は約7万9000平米で東京ドーム約1.7個分にあたる。見学コースは約1時間15分と3時間半がある。本社内に観光施設を建てた理由を、代表取締役会長の大沢一彦さんは以下のように語っている。
「創業時から『企業は社会の公器である』との信念で進んできましたが、社会の役に立つ施設をということで、2001年に本社ビルを建設。その内部に日本食研歴史館・商品展示館と世界食文化博物館を、食品・ハム研究工場内に世界ハム・ソーセージ博物館を整備しました。
さらに、2006年の創業35周年を機にKO宮殿工場と宮殿食文化博物館を併設。愛媛県今治市を世界の食文化の発信基地として、生涯学習の推進に大いに役立てたいと考えています」
博物館では食文化の変遷から世界約100か国の伝統料理や道具、61か国の調味料など世界の食文化をあらゆる視点から紹介している。
住所:愛媛県今治市富田新港1-3 入場料:大人1000円
※女性セブン2017年10月12日号