ライフ

西郷隆盛のストレスや下痢が明治維新後の日本を変えたか

胸痛や肩痛、下痢や下血にも悩まされていた AFLO

 西郷隆盛はなぜ自らが朝鮮に渡ることに固執し、「征韓論政変」を引き起こしたのか。これは、明治6年、西郷隆盛の朝鮮使節派遣を巡り新政府内で意見が対立し、西郷や板垣退助らの政府首脳と、軍人や官僚約600人が辞職・下野した件だ。そこには西郷の体調が大きく影響している、と大阪経済大学客員教授の家近良樹氏は言う。西郷は肥満をはじめとするさまざまな疾病を抱えていた。その病を辿ると、従来の認識とは違った西郷像と政変が見えてくる。家近教授が解説する。

 * * *
 西郷の体調悪化は明治維新の趨勢にも少なからず関与したと考えられる。最大のケースが、明治期最大の政変と呼ばれる「征韓論政変」(明治6年)だ。

 この時の西郷の言動には不可解な点が多く、明治期最大の謎のひとつとされるが、「心身の異常」という観点から得られる知見は多い。

 明治6年7月29日、西郷は板垣退助に宛てて、朝鮮使節を志願する手紙を送った。それ以前の西郷には、新政府内でくすぶっていた朝鮮問題解決に向けての積極的な姿勢は見られず、周囲は突然の志願に驚く。

 実は朝鮮使節を志願する前の5月、西郷は持病の「激しい胸痛」が悪化して大侍医(宮中内の医療を担当する宮内省の医師)に「中風」の危険があると診断された。これを案じた明治天皇がドイツ人医師ホフマンを彼のもとに送り、肥満解消のための瀉薬(下剤)療法と食事制限が始まった。この結果、1日5、6度の下痢に悩まされるようになった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン