これにより薩長の支配体制が崩壊し、独立国の様相を呈した鹿児島と西郷は西南戦争への道を突き進む。
西郷が朝鮮使節に固執しなければ、この政変は起きなかったはずだ。となれば、「西郷どんのストレス」がなければ、明治維新後の日本の歴史は変わっていたかもしれないのである。
【PROFILE】家近良樹●1950年、大分県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中央大学博士。著書に『ミネルヴァ日本評伝選 西郷隆盛』『西郷隆盛と幕末維新の政局 体調不良問題から見た薩長同盟・征韓論政変』(ともにミネルヴァ書房)など他多数。
※SAPIO2017年10月号