ただ、飼い主の声でもほとんどの猫が「鳴く」「しっぽを振る」行為はしなかったそう。やはり、猫はツレないニャア。
◆死にそうになると忽然と姿を消してしまう?
それを経験した人が多いことから、経験則として広まっているだけで、証明されているわけではないと言う。
「仮説としては、野生動物は体調が悪くなると人から見えない場所に隠れる傾向があるからでは?といわれています」
◆なぜか、猫は人間の赤ちゃんにだけは寛容
齋藤さんが最近聞くのは「猫は赤ちゃんにだけは反撃しない」という話。
「乳児の泣き声に共通する音響学的特徴や、下の方に目が大きくついているといった“幼児図式”に反応して攻撃しないのか? 非常に気になります」
◆行方不明になった飼い猫もちゃんと帰ってくるって本当?
「実例はありますが、ではどの猫もみなそういう能力があるのかというと立証されていません。飼い主が悲しみに沈んでいるとき、外見が似た猫が現れたら自分の猫と思い込む。そうした人間の認知的ゆがみの可能性も考えられます」
「死ぬ直前に消える」説もそうだが、倫理的に実験できないため証明できニャいそう。
◆犬っぽい猫が増えてきている?
飼い主がいようがいまいがお構いなし。そんなマイペースさが猫の性質だと思われていた。しかし、違う猫の様子も見られるという。
「最近、『分離不安』といって、飼い主が姿を消すとニャンニャン鳴きまくったり、ちょっと出かけようとすると不安になる猫が増えてきているようです。あくまで私の仮説ですが、かつては勝手に繁殖していたのが、今は野良猫でも去勢・避妊して保護される時代で、人懐っこい猫の方が人と共存するようになった。そうして、犬のように人に依存する性格の猫が増えてきたのでは」
うれしいようニャ、悲しいようニャ…。
※女性セブン2017年11月2日号