「大腸穿孔で大腸に穴が開き、腹腔内に便が漏れると命にかかわるので緊急手術が必要です。大腸の一部、あるいは全部を摘出し、切除した両端を縫合して腹腔内を洗浄します。難治性の慢性便秘症でも緊急性を要しない場合は、開腹手術ではなく、低侵襲な腹腔鏡による切除術を行なう医療施設もあります」(中島主任教授)
大腸がんや婦人科の手術後に、頑固な便秘になることが多い。また便秘の副作用がある薬剤もある。日本では便秘治療の専門知識や治療経験豊富な医師が少なく、術後や服薬における便秘指導まで対応できていないのが現状だ。
今回、初めて作成された便秘のガイドラインは、排便に係わる患者の苦痛の改善に繋がるものと期待されている。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年12月8日号