ビジネス

民泊ビジネス 「定年前起業」の最有力候補のひとつと大前氏

人生100年時代の老後は長い 時事通信フォト

 定年退職したら悠々自適のリタイアライフというのはもはや非現実的な話。年金受給年齢“75歳”という数字まで見えてきた。国や会社を頼れない以上、個人でどうにかするしかない。大前研一氏は、定年後も「月15万円」稼ぎ出すことを目標とすべきだと提案する。そのための鍵は「民泊」だという。

 * * *
 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、訪日外国人客数は今年1~9月で2100万人を突破し、前年同期を17.9%も上回って過去最高を更新している。この訪日外国人客は、今や有名観光地以外の極めて変わった所にやって来ている。たとえば、四国の吉野川上流の大歩危・小歩危の川下り(ラフティング)や、北海道・美瑛の「青い池」などである。 ところが、それらの地域には宿泊施設がほとんどない。また、京都や金沢などの有名観光地では、宿泊施設が圧倒的に不足している。しかし、空き家や空き地はたくさんある。

 だから、そうしたインバウンドが活発で宿泊施設が不足している所で安い空き家を見つけてきて水回りなどをリフォームするか、二束三文の空き地に小さいプレハブ住宅を建て、エアビーアンドビー(Airbnb)をはじめとする民泊サイトを通じて外国人観光客に貸し出すのだ。そうすれば数百万円投資しても十分ペイする。できればきちんとした事業計画を作ってのABS(アセット・バックト・セキュリティ)のスキームを利用したほうが賢明だろう。

 実は日本全体の宿泊施設のキャパシティはインバウンドが1900万人を突破した2015年の段階で「満杯」状態になった。一方、訪日外国人観光客は昨年2400万人に達し、今年は2800万人を超えるかもしれないという状況だ。いくら新しいホテルを建設しても、到底、追いつかない。昨年でさえ500万人もの訪日外国人観光客はホテルや旅館以外の場所に宿泊せざるを得なくなっているわけで、今後は空き家を民泊にコンバート(転換)していくしか、「おもてなしの国」の面目を保つ手立てはないのである。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン