芸能

師匠と弟子の組み合わせによる落語の「親子会」の楽しさ

落語「親子会」の面白さとは

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、師匠と弟子の組み合わせによる「親子会」の楽しさについてお届けする。

 * * *
「勉強会」という言い方がある。二ツ目あたりの若手が自主的に行なう小さな落語会のことで、「未熟な者ですが会を開いて勉強させていただきます」というニュアンスが込められた呼び名だが、これを「聴き手が勉強する」セミナーのようなものだと誤解する落語初心者がいる、という話を先日ある落語家から聞いた。

 落語会の名称でもうひとつ、初心者が誤解しがちなのが「親子会」だ。これは本当の親子による落語会ではなく、「師匠と弟子1人の組み合わせによる2人会」のことだ(弟子が数人なら「一門会」になる)。以前、「談志・志らく親子会」のチラシを見て「志らくって談志の息子なんだ」「確かに似てるね」と話している2人連れに遭遇したことがあるが、いくら志らくが「談志のDNAを継ぐ男」といっても、生物学的な意味で親子関係にあるわけではない。

 前回ここで触れた「白鳥ジャパン雪月花」は10月9日午後1時開演だったが、同じ日本橋三井ホールで午後5時から「雲助・白酒そして一朝・一之輔 ダブル親子会」があった。「五街道雲助と弟子の桃月庵白酒」「春風亭一朝と弟子の春風亭一之輔」という2組の師弟が出演するから「ダブル親子会」、というわけだ。

 もちろん一般的に「ダブル親子会」という形式があるわけではないが、この組み合わせはそういう言い方が似つかわしい。雲助と一朝は共に来年で芸歴50年となる本格派の古典の名手、2人の弟子は言わずもがなの売れっ子同士で、パンチの効いた芸風も似ている。落語ファンならぜひ観たい素敵な企画だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン