「そうした事態に対応できるように、70代以降の受給額を重視するなら、とにかく『繰り下げ』になるでしょう。2人で働きながら、『夫婦で71~72歳』まで繰り下げが可能なら、60歳まで繰り上げた場合に比べて年金額は倍以上、多くなります」(前出・北村氏)
夫婦で60歳繰り上げのケースと夫婦で71歳繰り下げのケースでは、70代の10年間の受給総額が2000万円近く変わってくる。
「繰り下げ」で年金額を増やすとともに、高齢者の生活を助ける制度の存在を知ることも重要だ。たとえば70代以降の医療費は、「高額療養費制度」を使えば1か月の自己負担は5万7600円(年収約324万円以上の所得がある場合)で済む。
制度を熟知して「繰り上げ」「繰り下げ」を判断することで “死ぬまで安心”の定年後生活に近づける。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号