ゴミ袋の中は、住民個人の私生活から出たもので、本来はさほど意味のないものですが、家の中の暮らしという外から見えないプライバシーに関わることから、知られると不安に感じたりする場合もあるかもしれません。
そこで個人情報保護法違反とは別に、プライバシー侵害の不法行為も問題になります。ただし、プライバシーといっても万全の権利ではありません。プライバシーとして保護しなければならない個人の利益と、これを調査する必要性や社会的意義を比較衡量し、どちらが上回っているかで判断されます。
そのため周辺のゴミの分別収集がある程度徹底されるまでは、調査されてもやむを得ない受忍限度になるのではないか、と思います。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2018年1月12・19日号