ビジネス

西武HD社史 書き出しは「西武王国の瓦解は突然やってきた」

世間を騒がせた事件を社史で総括

 会社の歴史が書かれた「社史」は退屈でつまらないイメージがあるが、社史編纂に会社を挙げて取り組み、見応え、読み応えのある社史を作った企業も存在する。企業の歩みには輝かしい成功だけでなく思い出したくない失敗もある。そんな「負の歴史」と向き合い、社史に克明に記す企業もある。

 2004年に総会屋への利益供与事件や有価証券報告書の虚偽記載が発覚して上場廃止に追い込まれ、西武ホールディングス(HD)として再生した同社が2016年7月に発行した設立10周年記念誌は、まさにその代表格だ。

〈鉄道・レジャー・ホテルなど、グループ全体で約120社を抱え、バブル期にはエクセレントカンパニーとさえ呼称された、「西武王国」の瓦解は突然やってきた〉

 という衝撃的な書き出しで始まり、不祥事を報じた新聞紙面や本社に警視庁の家宅捜索が入った際の報道写真なども掲載。

 西武鉄道の上場廃止以降のグループ再編、リーマン・ショックや東日本大震災の影響を受けたレジャー事業の低迷、筆頭株主からの敵対的TOB(株式公開買付け)、そして2014年に西武HDとして上場を果たすまでの“茨の道”を克明に記録している。

 その書き味も独特で、事件当時の社内について〈軟弱な総会屋対応や、甘い社内処分からは、表面だけ取り繕っておけばいいという考えが透けて見えた〉と厳しい検証を加え、〈度重なる不祥事によって市場や顧客からの信頼を失っただけでなく、証券取引法の違反により上場廃止に追い込まれた。最終的には、会長まで逮捕される(*注)という辛酸も舐めた〉と第三者委員会の報告書のような表現が目を引く。

【*注/2005年3月、堤義明会長(当時)が西武鉄道株式に関する証券取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕・起訴(後に有罪が確定)された】

関連記事

トピックス

愛子さま
愛子さま、近い立場で他愛のない話をできるのは佳子さまだけ 「どこのコスメを使われているのですか?」と真剣に相談も
女性セブン
“渡される側”のリアルを明かす田原総一朗氏(写真/共同通信社)
【証言・官房機密費】田原総一朗氏が明かす“渡される側”のリアル 和服の女性が渡した紙袋に入っていた「100万円の封筒が10個」
週刊ポスト
黒柳徹子のミュージアムができる
【人生の集大成】黒柳徹子の“ミュージアム”が軽井沢に建設中 計画をリードするのは“ビーズ界のカリスマ”
女性セブン
世界で活躍する真田
【全文公開】真田広之がサシ飲みでエール 俳優転身の次男・手塚日南人が明かす“知られざる離婚後の家族関係”
女性セブン
小学館が公表した「調査報告書」より抜粋
『セクシー田中さん』小学館調査報告書 日本テレビとの契約時のやりとり詳報「脚本もしくは詳細プロットの体裁で」
NEWSポストセブン
「金欠」だという宮迫博之
宮迫博之、千葉テレビ出演番組お蔵入り騒動でさらに遠ざかる地上波復帰 テレビ局からは相変わらずの“腫れ物扱い”
NEWSポストセブン
手指のこわばりなど体調不安を抱えられている(5月、奈良県奈良市
美智子さま「皇位継承問題に口出し」報道の波紋 女性皇族を巡る議論に水を差す結果に雅子さまは静かにお怒りか
女性セブン
兄弟
《愛情秘話》平野紫耀&莉玖兄弟、病気を乗り越え育ててくれた母への感謝「頑張っているのは親のため」「ダンスに関しては厳しかった」
女性セブン
高橋一生&飯豊まりえ
福山雅治&吹石一恵、向井理&国仲涼子、高橋一生&飯豊まりえ…「共演夫婦」の公私にわたる絶妙なパワーバランス
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン