「多量な食塩摂取が一因といわれるピロリ菌保持が罹患に大きくかかわることがわかっています」(松田先生)という胃がん。食塩摂取量の多い東北で罹患率が高い。IM比については「各自治体が検診を実施しているので、受診率の高さが関係しているというのが1つの分析です」(松田先生)。

 女性の死亡者数が最も多い「大腸がん」では、IM比全国推計値は2.59。都道府県別に見ると、広島県(3.56)、富山県(3.23)、岡山県(3.02)、大阪府(2.88)、宮崎県(2.85)が上位5県で、下位4県は山梨県(2.17)、新潟県(2.16)、高知県(2.15)、青森県(2.14)だった。

「早期発見で生存率が高まるのが大腸がんです」(松田先生)といわれており、検診の受診率との照合が進められている。早期発見が鍵になるからこそ、不調を感じてから病院に行くまでの時間も重要。発症に大きく影響するのは飲酒とされており、リスクを低下させるためには「運動が効果的ということがわかっています」(松田先生)。

また、女性の罹患率トップの「乳がん」では、IM比の全国推計値は5.84。都道府県別上位5県は、広島県(8.38)、富山県(7.61)、長野県(7.02)、宮崎県(6.78)、沖縄県(6.73)。下位5県は青森県(4.8)、長崎県(4.8)、熊本県(4.77)、新潟県(4.58)、徳島県(4.45)となっている。

 発症のリスクについては、肥満など体形や閉経・出産・授乳の時期なども関係していると分析されており、都市部での罹患率の高さが目立つ。「“都市型”というのが乳がんの1つの特徴ですが、IM比については必ずしも都市型とはいえません。北海道の値が低いのは、がんに罹った後の喫煙継続などが影響しているかもしれません(女性の喫煙率全国トップ)」(松田先生)。

※女性セブン2018年2月15日号

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