国際情報

パンダから作られた「熊猫便便紙」 中国のネットで論争に

中国でも人気は抜群だが(写真:アフロ)

 知らなければよかったことは世の中に多々あるが、このティッシュペーパーの場合はどうだろうか。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 東京・上野の動物園は、いままさにパンダフィーバーに沸いている。新たに生まれたジャイアント・パンダの子供「シャンシャン」の人気が爆発しているからだ。子供のパンダの可愛い仕草は、テレビのニュースを観るだけでも十二分に伝わってくる。

 パンダの子供が人気なのは、日本に限った話ではない。本家本元の中国でも、もちろん人気の的だ。何をやっても、好感度が高い。パンダはいわゆる鉄板ネタだが、今回のニュースに限ってはちっと趣が違ったらしい。

 というのも中国・四川省にあるジャイアント・パンダ保護研究センター(以下、研究センター)が、12月18日に同地の企業、四川ケン為鳳生紙業有限責任公司との間で正式にある契約の合意に至ったというのだが、それが大きな論争を巻き起こしたのである。

 いったい何のことか。

「それは再生紙のことですよ」というのは現地の記者だ。

「パンダが食べた笹が大量のフンとなって出てくるのですが、それが大量過ぎて捨てるところにも困っているのです。そこで研究センターが考え出したのが、フンの再利用なのです」

 いったいどれくらいのフンが算出されるのかといえば、成長したパンダの場合、毎日12キログラムから15キログラムの笹を食べ、10キログラム前後のフンをするのだという。

 契約の相手の企業が「紙業」と名乗っていることからも明らかなのは、再利用は再生紙ということになる。そして想像した通り、ティッシュが出来上がってきたというわけなのだ。

「さすがにパンダ印ですから、パッケージはとてもかわいいのですが、本当にそれを鼻にあてられるのかってことで、ネット上で論争になったということです」(同前)

 別にパンダのフンを再生した紙だからといって、論争するほどのことかとも思うが、それを目下、メディアが「熊猫便便紙」と報じているのは何とも気になるところだ。もう少し工夫できなかったものか。

 すでに商品化された「PANDA POO」は一箱43元(約731円)。ちょっと高いかもしれないが、「シャンシャン」ブームに乗れば、日本でのニーズもあるのかも。

関連キーワード

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン