仮想通貨取引所は、国内に約40社存在する。その経営者たちは、仮想通貨「NEM」を580億円分流出させた「コインチェック」の和田晃一良社長(27)に負けず劣らずの個性派ばかりだ。
金融のエリート街道を歩んできた人物がいるかと思えば、波瀾万丈の末に仮想通貨にたどり着いた取引所の経営者もいる。
2017年3月にサービスを開始した「FIREX」を運営するキャンプファイヤーの家入一真社長(39)は、いじめを苦に高校を1年で中退し、3年間を引きこもりとして過ごしたと自伝『こんな僕でも社長になれた』で告白している。
高校中退後は大検を取得し地元の美術大学に入学するがこちらも中退。その後、デザイン会社に入社し、ウェブデザインの技術を身につけるためにコンピュータのシステム会社に転職、それが人生の大きな転機になったようだ。
25歳の時にブログ運営などを手掛ける「paperboy & co.」を創業し、29歳で史上最年少のジャスダック上場を果たす。38歳でキャンプファイヤーの取締役に就任した。
さまざまなベンチャー企業に参画するかたわら、2014年には都知事選に出馬。「インターネッ党」なる政党を立ち上げたが、落選した。
同氏を知る人物は「家入さんは弱者の気持ちがわかる人だと思いますよ。時々ネットで炎上するけど、その都度『なんか炎上しちゃったね……』と妙に呑気なところもあり、どことなく『助けてあげたい』と思うような人物です」と語る。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号