国内

民主党政権スタート時に小沢一郎首相なら長期政権の可能性

佐藤優氏(左)と片山杜秀氏 撮影/黒石あみ

 作家の佐藤優氏と思想史研究家の片山杜秀氏が「平成史」を語り合うシリーズ。今回は、2008年(平成20年)~20011年(平成23年)の出来事を振り返る。2人は、民主党政権が誕生した当時を振り返った。

佐藤:当時の日本では、今のようなテロを警戒する空気は存在していなかった。のんびりとした空気のなかで登場したのが民主党政権です。政権交代時、自民党の麻生内閣でしたが、支持率が落ちて8月の衆院選で惨敗した。

片山:民主党政権は当初鳩山由紀夫、小沢一郎、菅直人が中心となるトロイカ体制を敷きました。私は彼らの組み合わせや総理になる順番が違ったなら、異なる結果を残していたかもしれないと思うのですが、いかがですか?

佐藤:同感です。もし民主党政権スタート時に小沢首相、鳩山幹事長だったら長期政権になっていた可能性もある。しかしこの年の3月に小沢さんは、秘書が偽装献金疑惑(※注1)で逮捕された責任を取り、代表を降りてしまった。小沢さんは政治主導で検察を改造する計画を立てていました。それが検察庁特別捜査部の反感を買ったんです。それが後々まで影響して、民主党政権は短命に終わる。

【注1/小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」が土地を購入した際、政治資金収支報告書にうそを記載したとされる事件。元秘書3人が逮捕、起訴された。11年、検察審査会の起訴議決で強制起訴されるも、一審、二審とも無罪。】

片山:2010年5月、民主党政権は普天間基地の移転先を名護市辺野古にする日米両政府の共同声明を発しました。しかし政権交代前、鳩山さんが移転先を「最低でも県外」(注2)と発言していた。鳩山さんは普天間問題失敗の責任をとって辞任に追い込まれる。そして7月の参議院選挙で自民党が勝利して国会に「ねじれ」が生じた。

【注2/2009年の衆院選前、鳩山民主党代表の普天間飛行場移設問題についての発言。だが翌年に県外移設を断念。首相辞任の引き金となった。】

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン