佐藤:「ねじれ国会」では、小沢さんの戦術を自民党が真似たんです。2007年の参議院選挙では民主党の勝利でねじれが生まれた。ねじれ国会では、衆議院で可決された法案が参議院で否決されるケースが多い。野党やメディアからは決められない政治と批判されて、政権は支持を失って息切れする。小沢さんはその方法で政権交代を成し遂げました。

片山:とはいえ、民主政治ではねじれが当たり前。ねじれ国会では議論が慎重になる。「熟議」される。支持率や風で決まる最近の政治よりもずっといい。

 鳩山政権の後を受けた菅政権は、ねじれ国会の運営を余儀なくされた。

●かたやま・もりひで/1963年生まれ。慶應大学法学部教授。思想史研究家。慶應大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。『未完のファシズム』で司馬遼太郎賞受賞。近著に『近代天皇論』(島薗進氏との共著)。

●さとう・まさる/1960年生まれ。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。主な著書に『国家の罠』『自壊する帝国』など。共著に『新・リーダー論』『あぶない一神教』など。本誌連載5年分の論考をまとめた『世界観』(小学館新書)が発売中。

※SAPIO 2018年1・2月号

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