数年前、エミはOB訪問で知り合った大手総合商社勤務のハイスペック男・タツヤと頻繁にデートしていた。タツヤは、親もちょっとした会社を経営しており、本人も「将来は親の会社を継ぐかも」なんて語っていた。そんな余裕なのか、タツヤは常に優しかったらしい。

 タツヤとは、OB訪問の際にディナーに誘われ、そのまま自然に家へとエスコートされ、流れで深い仲になった。それからというもの、ほぼ3日連続で彼の家に泊まったり、週末に一緒に出かけたりするような仲が続いた。はっきりと「付き合おう」と言われたわけではないが、家に頻繁に泊まるし土曜に会うこともあるし、お互い同じ大学でなんだか親近感もあり、エミは自分が彼女だと信じて疑わなかった。

 大学を卒業して同じ会社に入ったら、「出会いはOB訪問で」なんて馴れ初めを結婚式のスピーチで話すのかな──そんなことまで考えるくらい、彼とのデートは安心感にあふれていたという。

 しかし、である。いつもタツヤから呼ばれたら家に行くスタイルであったが、その日はバレンタインだった。エミはサプライズでケーキを持って部屋を訪ねた。実は前回泊まった時に、合鍵を借りていたのだ。

「次に会うのは3日後の約束だけど、バレンタインはやっぱり当日に渡したい!」そんな気持ちで鍵を開けた。すると玄関には、ハイヒールとタツヤの靴が無造作に脱がれていた。エミは慌てて部屋に上がり、寝室の電気をつけた。

 タツヤと知らない女性が真っ最中だった。エミは、「誰この人!」と騒いだが、タツヤは、「勝手に入ってくんな! プライバシーの侵害だ! 子供のくせに!」とエミを叱り、追い返した。

 とんだ修羅場である。しかし、そこはハイスペ、アフターケアも半端ない。タツヤはのちに違う女性と結婚したが、いまだにエミとも、鉢合わせた女性とも、まめに連絡を取り合い、恋仲が続いているらしい。ハプニングに出くわしても、女性が去ることはなく、むしろ燃え上がらせてしまう。それがハイスペの凄さなのかもしれない。

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