スポーツ

カーリングのおやつタイム 「とらやの羊羹」も活躍中

男子はゼリー飲料のほか羊羹も(撮影:竹田氏)

 カーリング女子、日本対OAR戦が行われた2月17日夜。NHKが7分間のハーフタイムをカットして、フィギュアスケートの羽生結弦選手のインタビューを流した。すると、それに対しツイッターで批判が殺到した。「おやつタイムをカットするな」──そう、カーリングには、“おやつタイム”があるのだ。カーリング取材歴9年、今回の平昌五輪でも現場で取材を続けるスポーツライターの竹田聡一郎氏が、選手たちが食べているものに迫った。

 * * *
「氷上のチェス」と呼ばれるカーリングは、シンキングタイムがある競技で、それこそが最大の醍醐味と言える。そのためテレビ中継にも「間」があり、どうしてもネットがざわつく。選手たちの氷上での会話でよく使われる北海道弁の「そだねー」がかわいいとツイッターで話題になったが、カーリングはそのような小ネタの宝庫なのだ。

 これまでの記事では「シャカシャカ(スウィープ)のお値段」「ストーンの秘密」などに迫ってきたが、今回は「おやつタイム」の謎を追ってみよう。

「おやつタイム」は、もちろん正式名称ではない。5エンド終了後に与えられる7分のハーフタイムで、「ピクニックみたいで楽しそう」と話題の軽食のことだ。

 1試合が3時間を超えることも珍しくないカーリングでは、このハーフタイムで軽食が認められている。フルーツやエネルギーバー、チョコレートなどの糖分を含んだものが主流だが、実はこれ、規定は特にない。極端な話、ホールケーキでもうどんでも何でもいいのだ。

 ただ、そこはアスリートであり、相手への敬意が大切とされる競技なので、さすがに匂いがある食べ物やガッツリした食事を摂る選手はいない。世界選手権で4度の金メダルに輝いた往年の名選手、カナダのグレン・ハワードさんは、同国のドーナツチェーンであるティム・ホートンズのコーヒーをいかにも美味しそうに飲んでブレイクしていたそうだ。

 今回の平昌五輪、女子のロコ・ソラーレ北見は第3戦まではイチゴとバナナ、りんご、ドライフルーツなどを用意してパクついていた。バナナは選手村の食堂にあるようで、それを調達している模様だ。その他は差し入れや関係者が購入してきた場合が多い。甘いものを控えているロコ・ソラーレは、カナダの遠征などに行った際はスーパーでカットフルーツを購入していた。

 一方、男子のSC軽井沢クラブは今回、ゼリー飲料を飲んでいる。JOCのオフィシャルパートナーである味の素の提供の『アミノバイタル』で、手早くエネルギーを摂取できるのは理に叶っているのだが、「趣がない」「楽しそうじゃない」「商業の匂いがする」という意見がネットで散見された。

 そんな中、リードの両角公佑(もろずみ・こうすけ)が消しゴムほどの長方体の黒い何かを口に入れて咀嚼していたのを目撃した。デリケートなドーピング報道がある中、得体のしれない黒光りする物体を食べて大丈夫か、何を食べているのかと取材すると、どうやら日本が誇る「とらや」の羊羹らしい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン