さらに、今回明らかになったのは段氏と孫政才氏、温家宝氏の三角関係だ。孫氏は一時、首相候補との下馬評が高かったが、これは温氏が首相時代、北京市幹部だった孫氏を高く評価していたためで、温氏は孫氏を「未来の首相候補」などと持ち上げていたとされる。
孫氏は2008年の北京五輪を前に、五輪施設の建設予定地の情報を段氏に漏らしたほか、段氏の会社が土地を取得できるように便宜を図り、段氏は値上がりした土地を高く売りさばいて暴利を得たという。その一部が孫氏側に流れたとの疑惑も浮上している。
その過程で、温氏やその一族がどのように関わったかは不明だが、捜査当局は何らかの証拠を握っており、昨年9月に段氏の身柄を拘束して、厳しく追及しているとニューヨーク・タイムズは報じている。