メンバーにとってもファンにとっても「SHINeeは5人」(HPより)
「メンバーのジョンヒョンへのメッセージともとれるVTRが流れたり、ジョンヒョンのかつての歌唱シーンが巨大モニターに映し出される中でメンバーが一緒に歌ったり…。“これからも5人でステージに立っていると思いながら頑張っていきます”というメンバー・ミンホの言葉通り、ジョンヒョンは永遠にSHINeeのメンバーだと感じられる素晴らしい公演でした」(同前)
◆「ジョンヒョンがステージにいるように感じられた」
乗り越えたふりをせずに、今のありのままの感情をむき出しにパフォーマンスをしてくれたからこそ、ファンも共感し、ともにステージをつくりあげることができたと考えても良いだろう。
圧巻だったのは、コンサートのラスト曲『From Now On』のステージだ。舞台には5本のスタンドマイク。真ん中にあるジョンヒョンの定位置にも一筋のスポットライトが当てられている。曲が流れだすと、初めて聞くジョンヒョンの伸びのある歌声が流れ、ハッとさせられる。生前、5人全員で収録した新曲なのだという。メンバー達は時々涙をこらえるように歌いながらも、ジョンヒョンの位置に目をやり、美しいハーモニーを奏でる。
現場にいたファンの一人は、「ジョンヒョンがステージ上にいるように感じられました。メンバー含むあの場にいた全員がそう感じていたと思います」と振り返る。歌い終えるとメンバーがそれぞれ、追悼の意を表すかのようにスタンドマイクに薔薇を差し込み、ステージを後にした。
会場にはファンからジョンヒョンを呼ぶ声が鳴りやまない。たとえ涙を流したとしても、ジョンヒョンの死をうやむやにせず、きちんと向き合おうとするメンバーとファンの真摯な姿がそこにはあった。
特筆すべきは、難易度の高い歌・ダンスで魅せるメンバーの息の合ったSHINeeならではのパフォーマンスがこのツアーでも驚くほど健在だったこと。ジョンヒョンの音声が流れない歌でも代わりに別のメンバーが歌いあげ、4人に組み直したフォーメーションも完璧なまでにこなしていた。
「ドーム公演の決行を発表したのが1月上旬だったことを考えれば、精神的にも苦しい中、この短い期間で高い完成度に仕上げた彼らの努力とポテンシャルに感服せずにいられません」(現場にいた別のファン)