夏の甲子園出場に向けて危機感を表明した大阪桐蔭・西谷浩一監督(産経ビジュアル)
高校野球で一強時代を築いてきた大阪桐蔭が、春季近畿大会1回戦で東洋大姫路(兵庫)に敗北した。しかも、公式戦では2013年秋の大阪大会以来となるコールド負け(2対9)で。
現在、東洋大姫路を率いているのは、12年前にコールド負けを喫した相手・履正社の指揮官を当時、務めていた岡田龍生監督だ。大阪桐蔭の西谷浩一監督にとっては大阪の雌雄を競い合ってきたライバル監督である。西谷監督が言う。
「(東洋大姫路のベンチに岡田監督がいることに対して)不思議な感じはしましたけど、さすがだなと思いました。(東洋大姫路が出場した今春の)センバツをテレビで観ていましたし、良い打線ということは聞いていましたが、鋭くコンパクトに振り抜いて、“こういうバッティングがしたい”というお手本のようなバッティングをされてしまいました。まだまだ力が足りないことがわかりました」
1991年夏に甲子園初出場・初優勝を遂げ、2008年夏の90回大会では2度目の日本一となった大阪桐蔭だが、黄金期の基点は藤浪晋太郎(マリナーズ傘下3Aタコマ)や森友哉(オリックス)を擁して春夏連覇を達成した2012年だろう。2018年には根尾昂(中日)や藤原恭大(千葉ロッテ)らによって史上初となる2度目の春夏連覇を達成。西谷監督の甲子園通算勝利数は歴代最多となる70勝にまで伸び、全国制覇の回数も9回(春4回、夏5回)となった。13年間にわたって高校野球界は大阪桐蔭を中心に歴史を刻んできた――とすることに異論を挟む者はいないだろう。
しかし、大阪桐蔭時代にもいよいよ翳りが見え始めているのではないか。