インド出身のYouTuberジョティ・マルホトラがスパイ容疑で逮捕された(Facebookより)
インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で発生したテロ事件を発端に両国の緊張状態が続くなか、5月17日(現地時間)、インド当局はインド・ハリヤナ州出身のYouTuberジョティ・マルホトラ容疑者(33)をスパイ容疑で逮捕した。
2020年ごろからYouTubeで活動し、現在までに約40万人のチャンネル登録者を抱えるインフルエンサーだったマルホトラ容疑者は、主に旅行中の様子を撮影・投稿していた。直近1年間ではシンガポールやインドネシア、ネパール、中国、ドバイなどを訪れていたという。
インドの大手紙『INDIA TODAY』によると、マルホトラ容疑者はパキスタンに潜入中の捜査員の特定に協力したり、YouTubeを用いてパキスタン側のプロパガンダに加担するなどしていた疑いにかけられている。
実際にマルホトラ容疑者のYouTubeチャンネルには、「Indian girl in Pakistan」と題された動画が確認できる。動画のなかでは、インド人である彼女に笑顔で手を振るパキスタンの人々や、平和な街の様子が映っていた。
彼女の逮捕報道は、大規模な軍事衝突への懸念が続くなかでの出来事だった。大手紙国際部記者が語る。
「4月22日に起きたテロ行為によって、インド人観光客ら26人が死亡。これを受けて、インド政府は5月7日、パキスタン側のイスラム過激派組織の拠点をミサイルで報復攻撃しました。核保有国同士の全面戦争への懸念が高まっていましたが、5月10日、両国は停戦合意を発表しました。しかしながらその後も爆破事件が起きるなど緊張状態は続いています」(大手紙国際部記者)