平昌五輪メダリストには数百万円から「米100俵」までが“ごほうび”として贈呈され、東京マラソンでは設楽悠太(26=ホンダ)の日本新記録更新に対して、なんと「1億円」が支払われた。そこまでの大金でなくてもいい。彼らのような特別な才能がなくても狙える報奨金はないものか……。
アスリートほど世の中にインパクトは与えられずとも、身近なところで報奨金をゲットする方法もある。
例えば、日々使うパソコンやスマホにもチャンスは転がっている。「バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)」と呼ばれる制度だ。
ITジャーナリストの三上洋氏によると、ネット上のシステムやプログラムなどには、必ずどこかに弱点、誤りがあるという。それらは企業内で行なうテストでは見つからないケースが多いため、実際にシステムやサイトを使っているユーザーたちにお金を積んででも発見してもらいたいのだ。
「悪意のある攻撃者に弱点を突かれることを防ぐため、各企業はバグを必死に探そうとします。一方、バグの発見は知識だけでなく時間を要するうえに、生産性や回収の保証もないため、事業として対応するとコストパフォーマンスが悪い。そこで外部のユーザーに『問題点を発見してくれたら報奨金を出します』としたほうが効果的なのです」(三上氏)
バグバウンティはグーグルやマイクロソフト、フェイスブックといったアメリカの大手IT企業が実施しており、グーグルは過去には緊急度が高い弱点に約330万円を支払ったこともあった。
フェイスブックは2013年に脆弱性に最大約1億8000万円の報奨金を懸けた。2016年には10歳の少年がインスタグラムのバグを指摘して約100万円を獲得した。
※週刊ポスト2018年3月16日号