芸能

ポンキッキ、45年の歴史に幕「道徳的信条が常にあった」

「ガチャピン・チャレンジ」は子供たちに勇気を与えた

「オープニングテーマだった斉藤和義の『歩いて帰ろう』を聴くと、『ポンキッキ』を夢中になって見ていた幼き日の息子がよみがえってきます。いい番組だったのにとても残念です」

 成人して独立した2人の息子を持つ56才の主婦がこう嘆くように人気子供番組『ポンキッキーズ』(BSフジ)が3月末に放送終了する。『ひらけ!ポンキッキ』として1973年にフジテレビでスタートした同番組は、ガチャピンとムックが“番組の顔”として大活躍。「きかんしゃトーマス」や「コニーちゃん」など、ヒットキャラクターも多数誕生した。

 国民的子供番組となった『ポンキッキ』は、1993年以降は番組名を変え、幾度のリニューアルを重ねながら放送を続けてきた。45周年を迎えた今年、ついにその歴史に幕を閉じる。上智大学文学部新聞学科の音好宏教授が解説する。

「当時、“母と子のフジテレビ”をスローガンにしていたフジテレビではアメリカで大人気だった子供番組『セサミストリート』をイメージして『ひらけ!ポンキッキ』をスタートしました。同局の教育に対する方向性を大事にしながら、未来のフジテレビファンの開拓を意識して、大人も子供も楽しめる独特の世界観を作り上げたんです」

 その番組内容は自然・社会・言葉・数・しつけ・リズム・感覚の7つのカリキュラムで構成され、知らず知らずのうちに、子供たちがさまざまなことを学べるような作りとなっていた。

 しかもそのカリキュラムは、児童心理学や保育学などの専門家11人がブレーンとして参加。加えて、幼稚園の教諭や学生、医師など50人もの人々が番組作りに携わっていたというから驚きである。

「立ち上げメンバーには、後に『オレたちひょうきん族』など、フジテレビ黄金期を支えた人気番組を作った敏腕ディレクターなど、有能な人材が揃っていました」(フジテレビ関係者)

 ガチャピンがスキージャンプやダイビングに挑戦する「ガチャピン・チャレンジ」は、ガチャピンの困難に立ち向かう姿が子供たちに勇気を与えた。

 一方で、歌手のペギー葉山さんが「にんじんを食べましょう」「人がいるところでは騒がないで」などと、優しく語りかける「しつけ」コーナーは番組スタート時から15年も続いた人気企画だ。

「家庭内でのしつけに加え、テレビの中でもしつけの話があると、子供にとっては確認作業になるので、実践しやすくなりました。最近では、論語を読み聞かせるコーナーがあったり、ノーベル賞受賞者の山中伸弥さんが出演し『未来の科学と子供の教育』について語ったりするなど、道徳的な信条が常にありました」(音教授)

※女性セブン2018年3月22日号

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン