心房細動が見つかったら、不整脈の治療薬と同時にワルファリンなどの抗凝固剤の服用を開始する。これで脳梗塞の発症リスクが3分の1以下に減ることが確認されている。心房細動を根本から治療する高周波カテーテルアブレーション治療を行ない、不整脈そのものを改善する方法もある。
「脳梗塞の発症や再発予防のためには、まず原因を特定し、それに合わせた適切な治療方針を決めることが重要です。内科的治療でも検査データを確認しながら薬の選択や量を決めることで、長期間発症を抑えることが可能になります」(長尾部長)
頸動脈の狭窄も脳梗塞発症リスクを高める。超音波検査などで70%以上の高度な頸動脈狭窄が発見された場合は治療の対象となる。多くは頸動脈内膜剥離術を実施して狭窄を解消するが、高齢や合併症などがある場合、カテーテルによる頸動脈ステント留置術で対応することもある。どちらにせよ、発症リスクの軽減が最善の治療だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年3月23・30日号