朱肉やスタンプ台を使わずに、簡単に捺印できるシヤチハタのハンコは、日常のいろいろなシーンで使われている。そんな中、シヤチハタは新たなサービスを開始した。その場でオリジナルスタンプが作れるスタンプ自販機『OSMO』とは?
シヤチハタはこれまで事務用品を幅広く取り揃え、企業へ向けた認印や事務作業などに使うスタンプを中心に扱ってきた。しかし、一般ユーザーは認印以外に使用するシーンが少なく、スタンプになじみがない。そこで、スタンプを使用したことのない層にも広く利用してもらいたいと思い、2014年、『OSMO』の開発をスタートした。
『OSMO』はタッチパネル操作で簡単にオリジナルスタンプを作製できるマシンだ。まず、ユーザーはスタンプホルダーを事前にレジで購入。『OSMO』を使って好みのイラストや文字を選び、デザインを作っていく。最後にスタンプホルダーの印面ユニット部分を『OSMO』のトレイにセットすれば、約1分でスタンプが完成する。スマホ専用サイト「オスモパーク」を使えば、スマホ内に入っている写真をスタンプにすることも可能だ。このように、「簡単でわかりやすく、作っていて楽しくなるようなモノ」をテーマに開発は進められた。
プロジェクトチームはまず、スタンプはどのような人が使っているのかを調べた。すると、小学生の女の子が手紙や日記で多く使っていることが判明。しかし、中学生になるにつれ、使う頻度が減り、高校生になると装飾の方法がスタンプからマスキングテープに移り変わっていることがわかった。中高生にもより一層スタンプに興味を持ってもらえるよう、彼女たちの意見を取り入れることにしたのだ。
開発当初、スタンプホルダーは、サイズ7種類、本体カラー6色、インキ色5色と何案もあったが、意見をもとに、サイズ5種類、本体カラー3色、インキ色4色に絞り込んだ。また、スタンプホルダーはサイズや色を自由に選べるよう店頭に設置。長い間店頭に置くと、湿度によりインキの状態が変化するため、湿度に影響されないパッケージを採用した。印面のデザインは中高生向けのイラストを制作している会社に依頼。動物やハートなどかわいいイラストが搭載された。『OSMO』本体のデザインは、これまでの事務用品のようなシンプルなデザインとは違ったモノがいいだろうと考え、グラフィックデザイナーに依頼。遠くからでも目につく個性的なデザインに仕上がった。
2016年3月にサービスを開始し、商業施設や観光地など約100箇所(2018年1月現在)に『OSMO』を設置。その場ですぐにスタンプを作れることがユーザーに受け、販売数は5万個(2018年1月現在)を突破した。海外旅行者の思い出作りとしても利用できるよう4か国語に対応。これからも設置店を増やし、より多くの人に利用してもらえるよう考えているという。
スケジュール用やその日の記念に『OSMO』を使ってオリジナルスタンプを作ることも可能だ。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号