高校進学の春を迎えても藤井聡太・六段(15)の快進撃は止まるところを知らない。2017年度は勝率、勝利数、対局数、連勝数で全棋士トップとなり、史上最年少での「四冠王」を達成。
ただ、“中学生最後の対局”となった3月28日の王将戦予選では井上慶太・九段(54)に敗れた。
「井上九段は順位戦A級に在籍経験のある実力者で、1996年には七冠を達成した直後の羽生善治・現竜王から白星をあげ、“羽生七冠に初めて勝った男”として当時、話題になりました。いま、関係者の間で注目されているのは、“井上一門”が藤井六段に対して滅法強いことです」(観戦記者)
藤井六段のプロ入り後の戦績は71勝12敗(3月末時点)だが、黒星を喫した12人のうち、3人が井上九段とその弟子たちなのだ。
「昨年のうちに藤井六段と対局があった井上九段の弟子である稲葉陽・八段(29)と菅井竜也・王位(25)はいずれも勝利。稲葉八段はA級棋士だし、菅井王位もタイトルホルダーの実力者とはいえ、一門の“対藤井勝率10割”は際立った成績」(将棋連盟関係者)
この春、藤井六段は史上最年少で名人戦・順位戦C級1組への昇格を決めたが、そこでも“井上一門”の難敵が待ち受ける。