「中学になると小学校よりも授業時間が増えるため、教員が授業と部活の顧問を両立するのはさらに難しくなる。そのうえ学力はバラバラかつ生徒は反抗期なので教員の負担がものすごく大きい。高校に上がれば、部活動の内容も専門的かつ高度になり、指導内容も複雑になります」
実際スポーツ庁の調査によると、公立中学校の運動部で顧問を担当する教員の96%が「授業が忙しくて、思うように指導できない」「心身の疲労、休息不足」など何らかの悩みを抱えている。
半世紀以上続いてきた部活動がなぜ今、危機に瀕しているのだろうか。『部活があぶない』(講談社現代新書)の著者であり、部活問題に詳しい島沢優子氏が言う。
「以前に比べ、教師の請け負う雑務は激増しています。研修や教材作りがあるうえ、アンケート回答や報告書作りに追われ、土日には部活動。保護者や陰湿化したいじめへの対応も迫られます。そんな状況下でこれまでと同じように1人の先生が授業から部活まですべてを請け負うのは難しい」
大阪市の40代公立中学校教員が言う。
「生徒はかわいいですが心と体の負担が大きすぎる。残業代が出ないなか、日々頑張って奉仕しているのに、一度でも私用で休んだら『私たちの税金からお給料をもらっているのだから休むことは許されないでしょ』と保護者からクレームが入る。“顧問を引き受ければ異動の際に優遇されやすい”“出世する先生は部活に熱心だった”と聞いたこともあり、頑張っていたけれどもう限界です」
これだけ教員たちが疲弊している今、部活がなくなるのは必然なのかもしれない。
※女性セブン2018年4月19日号