さすがの社長も夫人に提言したらしく、件のブログはその後ひっそり閉じられたというが「あの夫人ならどこかでやっているはずだ」と一部の社員が「ネットストーキング」するほどに根強く不信感が残っているという。さらに「KY妻」はこんな所にも……。

「弊社の部長夫人が、部長が今日はどこに行った、誰と食事に行った、といちいち詳しくFacebookに上げていました。それをライバル会社の社員がチェックしていたようで、こちらの戦略が丸裸になってしまい……。社の命運を決めるレベルのコンペがあったのですが、部長夫人のFacebookがきっかけとなり、うちは負けてしまったのです」

 部長夫婦は俗にいう「オシドリ夫婦」であったといい、Facebookには夫妻のツーショット写真が数百枚もアップされていた。仲睦まじいのはいいことだが、そこから業務上の秘密がダダ洩れになっていたとすれば、大問題だ。そしてKYっぷりもいかんなく発揮された。

「コンペ後、部長夫人が”こんなところまで見るなんて卑怯”だとか、ライバル会社や受注先企業の悪口をFacebookに書き込んでいました。もはや笑えない事態だと説明し、部長の奥様にはなんとかFacebookを非公開にしてもらいましたが……」

 以前、学校や遊園地、駅やバイト先などでのいたずらをそのままSNSに投稿し、危険だったり違法にもなりかねない内容を非難されて炎上するという出来事が次々と起きた。また、バイト先の業務で知り得た顧客情報を不用意にSNSへ投稿し、解雇された若者もいた。このような事件がいくつもあったのだから、いまさらSNSに何でもかんでも投稿するような人はいないだろうと思ってはいけない。なぜか自分だけは大丈夫だと、世界中から見られる場所に、何でも後悔し続ける人は今でも少なくない。とくに、ある程度の社会的地位になってからSNSに参加している中高年は、不用意な投稿を指摘される機会が少ない。そのため、気づけば大きなトラブルを起こすような使い方を、悪気なく続けているのだ。

 ネットやSNSが普及する以前であれば、身の回りのことを素直にそのまま投稿するのは「無邪気な行為」であったかもしれないが、ネット上での情報発信は、誰がどこでどのような形でチェックしているかわからない。何気ないコメントや書き込み、軽い一言が命取りにもなりうる。

「昭恵さんの(森友・籠池氏への)一言がなければ、こんな問題にはならなかった。首相の”関わっていたら辞めます”発言だって、昭恵さんの一言をけん制するためのもの。まさかあんな些細なことが引き金になり、国を二分する大問題に発展するなんて誰も考えていなかったでしょう」(前出の政治部記者)

 そしてさらに、今度は野党の有力議員がSNS上に「大阪地検の特捜部長が情報をリークしていた」などと書き込み話題になっている。こちらは軽率なのか、KYなのか、それとも興奮やうれしさ余って……ということか。

「自分は大丈夫」と思っているときが、もっとも危険だということを、誰もが胸に刻んでおくべきだろう。

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