ただし、祖父母と孫の関係が同じとはいえません。祖父母の義務、つまり、孫が請求できる扶養は本来、孫の両親がまず履行する義務を負っており、親が実行できない場合に限って祖父母に扶養を求め得る、いわば二次的なものだからです。未成年の孫への扶養義務が親と同じ生活保持義務になるか、仮にそうだとしても大学進学まで成長している孫の学費まで扶養の対象になるかは疑問です。
疎遠の孫に対する、あなたの気持ちは理解できます。とはいえ、扶養義務がある孫です。大学進学の支援が必要な事情を聞き、要否を判断されてはいかがでしょうか。なお、扶養の程度と方法について当事者間で協議できない場合には、家庭裁判所の調停や審判で決めてもらうことになります。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号