芸能

高橋三千綱氏 「田中健君には私の弔辞を読むスタンバイを」

芥川賞作家の高橋三千綱氏

「最後のお別れ」となる弔辞を読み上げるのは、自分のことを本当によくわかってくれている人であってほしい──歳を重ねると、ふとそんな思いに駆られることがある。そこで各界著名人に「自分の葬式で弔辞を読んでほしいのは誰か」と聞いてみた。芥川賞作家の高橋三千綱氏(70)は、自身が原作・脚本・監督を務めた映画で主演を張った俳優の名を挙げた。

 * * *
 映画『真夜中のボクサー』(1983年・東宝)では、世界王座に就いたボクサーが、仕組まれた八百長試合に挫折し、放浪の旅に出ながら孤独なトレーニングに励むシーンが続きます。その役を演じてくれたのが田中健君(67)でした。

 彼はこの作品のために、1年かけてジムに通い、元WBA・WBC世界ジュニアライト級王者の沼田義明氏に個人指導を受けながら、見事、ボクサーの身体に仕上げてくれた。もともと交遊があった俳優の三浦友和君とトレーニングの様子を見る機会があったんですが、三浦君が「僕にはできない」と言ったほど過酷な役づくりでした。

 といっても、劇中でボクシングシーンはまったくなく、1回パンチを出すだけ。脚本を読んでいたから、田中君もそれは分かっていたはず。でも彼は妥協を許さず1日6時間以上もトレーニングに励み、一言も文句を言わなかった。ギャラも含めてね(笑い)。

 この映画に私財も含めて私のすべてをつぎ込みました。田中君は撮影を通じて、私のいろんな面を見ていたと思う。私を最も理解してくれた田中君の目にどう映っていたか。多くを語らない人だからこそ、あの時の本心を私の亡骸に向けて伝えてほしい。

関連記事

トピックス

羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
「礼を尽くさないと」いなば食品の社長は入社辞退者に“謝罪行脚”、担当者が明かした「怪文書リリース」が生まれた背景
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
いなば食品、入社辞退者が憤る内定後の『一般職採用です』告知「ボロ家」よりも許せなかったこと「待遇わからず」「想定していた働き方と全然違う」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン