この映画は興行的には決して成功したとはいえませんでした。ですが関係者に評価されたことで、それから田中君には映画主演のオファーが殺到しました。それまでアイドル的な存在だった田中君にハードボイルドの世界が広がり、彼の俳優人生を変える作品になったわけです。
“役者として幅が広がった”と思ってくれているなら良いけど、どう思っているのか。今も気になっています。これも弔辞のなかに入れてほしいですね。
私は食道がんや胃がんが見つかったけど、手術もしないでそのままにしている。だから「なかなか死なない」「がんが逃げたんじゃないか」とか言われたりするけど、「訃報が近い」ような気もする(笑い)。田中君にはそろそろスタンバイしておいてもらわないとね。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号