国内

育てる自信ないと子産まなかった女性、経済・精神不安が潜む

経済・精神不安により産まない選択をする人も少なくない(イラスト/やのひろこ)

 女性の社会進出が進む中で、子どものいない人生を選ぶ女性も増えている。その理由は、千差万別だが、中でも最も多い理由の1位は「タイミングを逃した」(34.1%)だ。続く、2位は「病気による体の事情」(29.4%)。そして、3位は「育てる自信がない」(24.7%)だった。実に、4人に1人が「育てる自信がない」といっていることになる。

 大人ライフプロデューサーで、著書『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』があるくどうみやこさんがこの調査を行った。

 理由として、「子供がほしくなかったわけではないけれど、子供がいる友人の子育ての様子や、産休・育休後に復帰した同僚が疲れ切っている姿を見ると、仕事をしながら育児をする自信がなくて」(32才・会社員)、「負けず嫌いの私が子供を持つと、恐ろしいほどの教育ママになりそう。思い通りにならないと、手も上げてしまいそうで怖い」(40才・会社員)、「未熟な自分に育てられる子供はかわいそうで…」(28才・自営業)などの理由を挙げた人も多かった。

 また、政府や自治体はさまざまな子育て支援策を打ち出し、医療や教育費用の負担軽減を試みているが、1人の子供が大学卒業までにかかる費用は約2500万円ともいわれ、経済的に不安が付きまとう。

 昨今の学校のいじめ、毎日のように報道される子供の犯罪ニュースなどを見ると、心配の種は後を絶たない。

 そんな状況を前にして、経済的にも精神的にも産む前にブレーキがかかり、子供を持たない決断をした人や、虐待された経験から子供を持たない選択をする人もいるようだ。くどうさんはこう語る。

「夫婦で相談して納得しているのに、『義母から子供がほしいと思えないなんて精神的におかしい』と言われたという人もいますが、彼女たちの中には、友人や親戚の子の世話をしたり、読み聞かせボランティアをすることで、子供とかかわりを持ち、幸福感を得ている人もいます。子供嫌いというより、むしろ大好きなだけに、無責任に子供を持つことを選べないと考える人もいるのです。少子化時代であっても、産むか産まないかは個人の自由。いろいろな立場があって決断したものなら、胸を張っていいと思います」

※女性セブン2018年5月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン