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アシックス 五輪最高位スポンサー150億円のコスパは

 さて、前述の100周年イベントに話を戻すと、尾山氏の後、壇上からプレゼンをしたのがアシックス取締役の西脇剛史氏。同社のモノづくりを牽引してきた人物である。

「1949年、アシックスの前身となる鬼塚株式会社が設立されました。さきほど説明しましたバスケットボールシューズの後、1953年には“マラソン足袋”を開発、発売しましたが、それが初代のマラソンシューズです。

 我々は、世界のアスリートの足を自ら計測し、ランナーの動きを観察することで選手のニーズを把握し、商品開発しています。また、独自に開発した材料をシューズに搭載することを心掛けており、シューズの軽さと耐久性はトレードオフですが、そこをハイブリッド設計していくのが当社の強みです」

 西脇氏は来年早々、同社のランニングシューズのこれまでの概念を変える、一般ランナー向けの商品も開発中だと明かしたうえで、東京2020オリンピック・パラリンピックで金メダルを取ってくれることを目的とした、スプリントシューズの開発も同時に進めているとしていた。

 そして、ゲストで来場したスプリンターの桐生祥秀選手の手によるアンベールによって、その次世代スプリントシューズのプロトタイプが公開された。何と、このシューズには通常は備わっているスパイクピンがない。カーボンファイバー素材をベースとした複雑な立体構造を靴底に取り入れ、接地面を「点」でなく「線」として捉え、ピンがない分軽量化ができたという。さらに靴底も硬くするなど設計の自由度が広がった。

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