朝用シートマスク『サボリーノ 目ざまシート』の人気が止まらない。2015年の発売から3年目を迎え、累計1.5億枚を売る大ヒットを記録。大好評の陰には「スキンケア、実は面倒くさい…」という女性の素直かつ切実な心理があった。
「朝、1秒でも長く寝ていたい」「忙しい毎日のスキンケアが、面倒くさい」…。普段はきちんとしている女性でも、実は誰もが思っていることではないだろうか。化粧品メーカーBCLから発売中の『サボリーノ 目ざまシート』は、60秒パックするだけで洗顔・スキンケア・保湿下地までのステップが完了するというスグレモノだ。
開発のスタートは、2013年。きっかけは、社内に自分たちが欲しいと思った商品開発を行う『女子開発ラボ』が発足したことだった。ラボのメンバーは、20代から30代の女性5名。「どんな化粧品が欲しい?」「こんなアイテム、どう思う?」など、打ち合わせを重ねる中で最も盛り上がったのが、「洗顔が面倒くさい」「忙しいからスキンケアには時間をかけたくない」という“朝のルーティン”だった。」
「最初は、メイクも貼ってはがせたらいいよねという話をしていたのですが、それはさすがに無理(笑い)。現実的にできることを最大限検討した結果、洗顔から保湿下地まで、1アイテムでできるものを作ろうということになりました」と、『女子開発ラボ』メンバーの齊藤久美子さんは語る。
開発過程では、朝に使うシートマスクならではの使用感を出すことに苦労した。目ざまシートは、スーッとした爽快感が特徴で、スッキリ目が覚めるような商品だが、スースーすると刺激が強すぎるし、反対に爽快感を抑えるとスッキリ感が得られない。また、スッキリしつつも保湿力を保持させたい、という課題もあった。多くの社内モニターを募り、少しずつ変化をつけて調整していった。
『女子開発ラボ』発足から2年が経った2015年4月に発売。プラザやロフトといったバラエティーショップで小さなプロモーションを実施した程度だったが、発売初日から売り切れが続出してしまった。
すぐに量産態勢を取るところだったが、それができない事情があった。『目ざまシート』はマスクを広げる手間がかからないよう、特殊な折り方でパッケージに詰められている。この特殊技術の生産ラインが限られていたため、すぐに量産態勢へ拡張が図れなかったのだ。
悩んだ結果、1年をかけて量産態勢を整え直してから再販することに決めた。それでも、シートマスクは競合数が多く、量産態勢を整えている間に、消費者から忘れられてしまう不安もあった。しかし、それは気苦労に終わった。
再販以降も好調を維持。発売3年目を迎えた今でも、『サボリーノ』は店頭に並び、売れ続けている。
「当初の売上ぶりや、フルーツをあしらった派手なパッケージというのを、小売店さんも覚えていてくださったんです」(販売担当の平山裕貴さん)
※女性セブン2018年6月21日号