四国の北東部に位置する徳島市。市内には、吉野川をはじめとする138の川が流れ、ほぼ中央には、同市のシンボルである眉山がそびえ立つ。そんな風光明媚な地でLED製品が誕生したのは20年以上前のことだ。
「徳島県に本社をもつ日亜化学工業が、20世紀中には開発困難といわれた高輝度の青色LEDを、1993年に世界で初めて製品化し、話題になりました。また、1994年には全国に先駆け、県内にLED信号機を設置。ここからLEDの知名度が広がっていったのです」(徳島県商工労働観光部 新未来産業課・井関仁さん「」内以下同)
県内には、他にも世界有数のLEDメーカーが存在するが、それは、2005年よりスタートした『LEDバレイ構想』による。
「これは徳島をLED王国にするために、関連企業を集積しようと、自治体、大学などの研究機関、民間が一体となって立ち上げたプロジェクトです。
明かりだけではなく、LEDを使った植物の栽培やオブジェなど、さまざまな企業が集まり、当初は10社だった関連企業は現在151社にまで増えました。海外展開も視野に入れ、展示会にも積極的に参加するよう支援しています」
ちなみにLEDとは、Light Emitting Diodeの略で、日本語では発光ダイオードと呼ばれている。その特性は、低消費電力、長寿命、小型軽量などがあげられる。
「白熱電球に比べると、消費電力は約5分の1、寿命は約20~40倍。また1993年に青色LEDが開発されて以来、光の三原色がそろい、あらゆる色の組み合わせで、フルカラーも実現しました。そんなLEDをもっと知ってもらうために、徳島市、阿南市、松茂町など、県内にある光のモニュメントの認定をしています」
夕暮れから夜にかけて、公園や道、商店街、橋などが、幻想的な光の名所に生まれ変わる。
「今はまだ60か所ですが、いずれは四国巡礼にちなみ、88か所を目指しています」
※女性セブン2018年6月21日号