狭い店内にグッズがぎっしり
ともかくいくつかの商品をレジに持っていく。プラスティックの置物はザビワカが各国のユニフォームを着ているものなのだが、試合が開催される都市だというのに、日本モデルは見つからなかった。他の都市にはあるのだろうか。なんだか意図を感じてしまうのは弱小国の勘ぐりに過ぎないのだろうか。
もっと言うとブラジルW杯でも見かけた大会公式のモノポリー(3290ルーブル、約5900円)では、静かに格付けがされていた。
ルールをご存知ない方にざっくり説明するが、モノポリーとはプレイヤーがサイコロを振って正方形のフィールドを時計回りにコマを進めるゲーム。プレイヤーは止まったマスの土地などを購入でき、他のプレイヤーがそのマスに止まるとお金が入ったり、取引できたりするという“資本主義すごろく”だ。
各マスには“格付け”がされている。例えば、もっともポピュラーなスタンダード版のモノポリーでは、最安値の土地のマス「地中海通り」は60ドルで、「バーモント通り」「コネチカット通り」「バージニア通り」など、徐々に土地代が上がっていって、「ニューヨーク通り」は200ドルという具合になっている。
で、ロシアW杯版だが、最高値から言うとロシアが400M(オリジナルのゲーム上の通貨単位)で、その下がドイツ350M、ブラジル320Mと続く。全部は書かないがあとは、グループリーグで同組のコロンビアが160Mで中盤にいた。さらにスイスやデンマーク、セルビアなどもいる。そして最低値のマスにはあろうことか日の丸が描かれていた。土地代はその2つ隣のマスの豪州と並んで60Mだ。
たかがゲームとはいえ、公式グッズでしっかり屈辱的な格付けが済んでいた。西野ジャパンは、果たして成り上がることができるだろうか。
取材・文●竹田聡一郎(たけだ・そういちろう)/1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカー、カーリングを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ねている。著書に『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』がある。