外美代:それが今のコスチュームの原型になったんですね。
直稔:そう。とくに思い出深いのが、男子陸上競技。メキシコ人って遠目から見ると日本人にそっくりだから、日本の選手を応援してたつもりが、途中から間違えて、メキシコ人選手を応援してた。引くに引けなくなって、「メヒコ! メヒコ!」と絶叫していたら、今度はメキシコ側の観客たちがそのエールにのって、「ハポン! ハポン!」と日本人選手を応援し始めてね。13万人の大観衆が総立ちで相手の国の選手を応援したんだ。こんな感動したことはなかったね。
外美代:団長の“応援精神”はそこで培われたのですね。
直稔:そう。応援って、すごい力を持つものなんだって、心底実感した。
外美代:私は、2005年の愛知万博『愛・地球博』が、正式に万博にハマったきっかけです。実は最初は、イヤイヤながら行ったのよ。
直稔:嫌なのにどうして行ったのよ?
外美代:実はその前に大きな手術をして体力が落ちていて、主治医から「リハビリのため、散歩がてら万博に行ってみろ」と言われて。「そんなに行け行け言うのなら、先生が行きゃあいいじゃない」と毒づきながら行ってみた。
そうしたら、そこは「世界」だった。各国のパビリオンでは、パスポートなしで世界中の人と交流できる。そのうえ期間内ずっと使えるパスポートが1万7500円なんです。一度購入すれば、何度も入れるから「5回も行けば元がとれる」という“名古屋人精神”に火がついて、気がつけば毎日通っていた(笑い)。
※女性セブン2018年6月28日号