「ワルファリンや、血栓をなくすための血小板凝集抑制薬などと併用すると、血液を固まりにくくする作用が重なり、作用が強く出て出血する恐れがあります」
牛乳や乳製品などに多く含まれるカルシウムは、もともと体内に吸収されにくい物質で、吸収率は20~30%。比較的吸収がよいとされる牛乳でも50%ほどだという。
「骨粗鬆症の人に処方される活性型ビタミンD3製剤というビタミン剤があります。これは腸管からカルシウムの吸収を助け、腎臓細管でも尿として排出されたカルシウムを再吸収し、効率的にカルシウムを吸収できる薬です。
しかし服用中にカルシウムを含む食品や補助食品を多く摂ってしまうと、本来低いはずの吸収率が高くなってしまい、その結果、高カルシウム血症を引き起こす場合があります」(同前)
高カルシウム血症の初期症状は、便秘、吐き気、嘔吐、腹痛、体の痒み、多量の尿などだ。症状が進行して重くなると、錯乱、意識の混濁、幻覚、昏睡を伴う脳の機能障害などが起こり、不整脈から死に至るケースもあるという。
薬を摂取しながら健康食品を購入する場合、医師に適切な飲み方の指示を受けておく必要がある。
※週刊ポスト2018年6月29日号